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「で、本当の所はどうなの?私のこと……嫌い?」
先ほどの僕の言葉が、嘘とわかってる彼女。今度は、逆の質問をしてきた。
僕は言葉に迷う。果たして彼女は、どんな言葉を求めているのか……どんな言葉を掛ければいいのか……。
「どうなの?」
「嫌いじゃない。でも、好きでも……ない」
「そう…………」
鏡神が悲しい顔をするんじゃないかと思い、フォローの言葉を用意していたが、必要ないみたいだ。
「その言葉を聞いて、安心したわ」
「えぇ?安心?……悲しくないのか?」
「それは、悲しいわよ。でも、嫌いじゃないんならそれでいいの。だって、好きになってくれるんでしょ?」
悪戯している子供みたいに笑う鏡神。でもその笑顔に、子供みたいな純粋なものはなく、なんか悪意みたいなものを感じる。
「それに、月々くんがすでに私にメロメロなら、こんな早くからデートのお誘いなんてしないわ」
「はぁい?デート?」
「そう、デートです」
「デートだったんですか!?」
「デートだったんです!!」
なんだこのノリ。
ふむ、付き合って次の日にデートですか……。
「でも、学校にいく時間が……」
かれこれ一時間たっている。学校に行くことを考えたら、デートする暇なんか無いはず。
「月々くん、時計をみてみなさい」
「なんで?」
いいから、と鏡神に言われ渋々時計をみる。そして絶句。
「午前4時半ってお前……………」
なに考えてるんだ?頭おかしいよ?
「今貴方、私のこと知的な女と思ったでしょ?」
「えぇ……まぁ多少」
誰も思ってないよ!
「それに今日は土曜日よ?学校はお休み。なに月々くん!曜日がわからないほど、頭がダメになったの!?もうだめ………安楽死を勧めるわ」
「なんで曜日がわからくなっただけで、死ななくちゃいけないんだ!そして、安楽死しなければいけないのは、人の気持ちを考えない君の方だ!」
「ひっ酷い。そこまで言わなくても」
酷くないし。
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