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そして数分後………。
家の前に僕たちはいた。
「ほんとに着替えさせられた………」
「別にいいじゃない、素っ裸の姿を見た訳じゃないんだから」
相変わらずの無表情。
この女……僕のことをちゃんと、人として見ているのだろうか………見てない気がする。
それにしても、何故あんなに叫んだりしたのに、僕の家族は起きないんだろうか………助けて欲しがった。
「さぁ月々くん!楽しいデートの始まりよ!!」
「無音さん……よく、無表情のまま、そんな楽しそうな声がだせるね」
「気にしないで……仕様だから」
「仕様っ!?」
「ちなみに、素でやるとこうなるわ」
そう言って鏡神は、一回深呼吸をして……
「はぁー。覚悟してね、今から私と歩む道は、茨の棘よ。地獄という地獄。死にたくなかったら、私についてきなさい」
「仕様だったのはセリフかよ!地獄という地獄って、どんなデートだよ!?」
「デートというのも仕様ですか……」
「うるせぇよ!もういいよ」
はぁ、なんか突っ込んでばっかりだな。
なんかこうしていると、鏡神がどんな人間かわかってきた。
学校で聞いた噂と全然違うな………。
ちなみに、学校でどんな噂が流れていたかと言うと……『清楚可憐』『いい人』『美人』『性格が良い』『成績優秀』『どこかのお嬢さんみたい』『大人しい』『結婚したい』『黒髪最高』『胸がでかい』など色々多数………最後のはどうでもいいけど、存在していた。
「月々くん、なに馬鹿みたいな……馬鹿な顔してるの?」
清楚可憐だとっ!?
「行動が遅いわね。本当に人間かしら?アレね……先祖は亀なんじゃないかしら」
いい人だとっ!?
「死んだ………」
「性格がいいだとー!誰だよ、そんなこと言った奴は!」
全部嘘じゃねぇかよ!
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