進展

10/12
前へ
/41ページ
次へ
そして数分後………。 家の前に僕たちはいた。 「ほんとに着替えさせられた………」 「別にいいじゃない、素っ裸の姿を見た訳じゃないんだから」 相変わらずの無表情。 この女……僕のことをちゃんと、人として見ているのだろうか………見てない気がする。 それにしても、何故あんなに叫んだりしたのに、僕の家族は起きないんだろうか………助けて欲しがった。 「さぁ月々くん!楽しいデートの始まりよ!!」 「無音さん……よく、無表情のまま、そんな楽しそうな声がだせるね」 「気にしないで……仕様だから」 「仕様っ!?」 「ちなみに、素でやるとこうなるわ」 そう言って鏡神は、一回深呼吸をして…… 「はぁー。覚悟してね、今から私と歩む道は、茨の棘よ。地獄という地獄。死にたくなかったら、私についてきなさい」 「仕様だったのはセリフかよ!地獄という地獄って、どんなデートだよ!?」 「デートというのも仕様ですか……」 「うるせぇよ!もういいよ」 はぁ、なんか突っ込んでばっかりだな。 なんかこうしていると、鏡神がどんな人間かわかってきた。 学校で聞いた噂と全然違うな………。 ちなみに、学校でどんな噂が流れていたかと言うと……『清楚可憐』『いい人』『美人』『性格が良い』『成績優秀』『どこかのお嬢さんみたい』『大人しい』『結婚したい』『黒髪最高』『胸がでかい』など色々多数………最後のはどうでもいいけど、存在していた。 「月々くん、なに馬鹿みたいな……馬鹿な顔してるの?」 清楚可憐だとっ!? 「行動が遅いわね。本当に人間かしら?アレね……先祖は亀なんじゃないかしら」 いい人だとっ!? 「死んだ………」 「性格がいいだとー!誰だよ、そんなこと言った奴は!」 全部嘘じゃねぇかよ!
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

126人が本棚に入れています
本棚に追加