花咲じいさん

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大昔の話やけどな。 1人暮らしの爺さんが、のんびり暮らしとってんて。 あるの事や… 爺さんが散歩がてら、花見しようと思って、出かけたんやて。 きれいな桜の木が、いっぱいあってな… 爺さんゎ、その桜に見とれとったんや。 そしたらな…   ークゥ~ンー   なにやら淋しげな声がするんや。   爺さんゎ、声の聞こえる方に行ったらな… ダンボールに入れられた子犬や。 そこにゎ…   【捨てられた可哀想な子犬です… 誰か拾ってやって下さい。 名前ゎポチです】   って書いてたんや。 …子犬捨てたん絶対、これ書いた奴やん。 しかもポチて…。   『お~可哀想に…』  爺さんゎそう言うと、ポチを抱き上げ、家に連れて帰ってんて。   家に帰った爺さんゎ、ポチを風呂に入れて、きれいにしたんやて。 ポチゎ、真っ白でフワフワした、可愛い子犬やってん。   『可愛いなぁ。 ずっと、ここにおってや♪』   『ワンワン♪』   ポチゎ、嬉しそうに走り回ってたんやて。     『これこれ…あんまり騒いだらアカンで。 隣にも爺さん住んでんねんけど… これが…大の犬嫌いでな。 何されるか判らんしな。』   爺さんゎ、前にも犬を拾って来たんやけど… ようさん意地悪されたらしいわ。 挙げ句の果てに、繋いでた犬の鎖外して追いかけ回し、犬ゎどっか行ってもうたんやて。 酷い爺さんやな…   ポチゎ、爺さんの言葉が通じたのか、走り回るのを止めて、爺さんの膝の上で、大人しくしてたんやて。     『よしよし…ポチゎ賢いなぁ♪』   こうして、爺さんとポチとの生活が始まったんや。   ある日の事… 爺さんゎ、ポチを連れて、山に行ったんやて。 ポチゎ走り回って大喜びや♪   『ポチ~走り回んのゎええけど…気をつけや。』   少ししてからや… ポチゎ急に動き止めて、何やら匂っとる… トイレやろか?って思いきや…   『ワンワン!!』   『ん?どうしたポチ…』   『ワンワン!!』   『どうしたんや?』   『……ここ掘れって!!ワンワン!!』   『…今、しゃべった?』   『気のせいや!!良いから…ここ掘れワンワン!!』   明らかにポチゎ喋っとる…。 せやけど、爺さんゎ気のせいと思って、ポチの吠える場所を、掘り起こしたんやて。  
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