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“星を蝕む者”
ビッグバンにより宇宙が誕生した時、それも同時に生まれた。絶対的な真空という卵の中で、“星を蝕む者”は孵化し卵の殻を破って外へ出た。その衝撃がビッグバンである。
卵の欠片は星となり、無限の空間へ旅立った。
時には星同士がぶつかり、時には相討ちして共々に砕け散った。
そんな過程の中で重力が生まれ、ある星は命を宿した。
だが、それは“星を蝕む者”の餌に過ぎなかった。
時の流れと共に“星を蝕む者”は成長し、蛹(さなぎ)の時期を迎えた。
“星を蝕む者”は幾千幾度の輝きから1つの星を選び、己の命を宿す事で最終変態の要とした。
その星の名は惑星エグゼビア。
30世紀の時代を担う科学兵器達がそれに立ち向かうも、世界を守る事は許されなかった。
“星を蝕む者”は最終変態を遂げる為、星全体を繭(まゆ)で覆い尽くした。
幾度と解き放たれる熱気流という名の糸達。それは大気圏で練られて摩擦を起こし、赤い積乱雲へと姿を変える。
星を包み込む赤い赤い繭。
惑星エグゼビアは、この繭の下で蛹と化した。
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