革命広場

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革命広場は、すっかり雪で覆われていた。 大晦日のカウントダウンを行なったのか、仮設トイレがいくつも置かれ、ライブ会場のステージが撤去されている途中だった。 この広場は、公園のようになっていて、オペラハウス、パレスホテル、大学図書館、通りを一つ挟んで大きな建物が立ち、四方が囲まれたようになっている。 ここが革命前夜、デモ隊が集まって抗議集会をしていると、市民たちが知らなかった秘密の地下道を抜け、大統領親衛隊が突然現れて市民に発砲したのだ。 激しい銃撃戦があった場所がここだった。 今ではそんな悲劇があった場所とは思えなかったが、デモ隊の恐怖を感じることが出来た。 しかし、四方を建物に囲まれ、大統領親衛隊が突如現われた光景は想像を絶する恐怖だっただろう。 昨日見た最新鋭のライフル銃を持って、大統領親衛隊が出て来るのだ。 かなりのパニック状態に陥ったことだろう。 激しい銃撃戦で、大学図書館の古い蔵書が半分以上が焼失したという。 その近くにチャウシェスク大統領が屋上で最後の演説を行なった旧共産党本部がある。 市民のシュプレヒコールで演説は途中で書き消されてしまい、チャウシェスク大統領はヘリコプターで脱出し逃げるわけだが、今では外壁にスプレーで落書きされ荒れていた。image=121446053.jpg
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