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イタリア語が読めない。
ユーロがない。
正月がない。
時間だけがたっぷりある。
この間仕事してた人間が宿もなく空港で寝るとは、友人の「冒険家やなあ」という言葉がつくづく身に染みた。
2008年、またもやいきなり「やってもうた」か?
空港のベンチで空腹を堪えながら、「どうしてなんや」と、手の平をグッと握りしめるしかなかった。
朝6時になった。
アリタリア航空のチケットのチェックインが始まった。
ルーマニア行きの飛行機に乗る番号にアリタリア航空のスタッフが並ばずに、後の便のカサブランカ行きの中東系の人々が、列もぐちゃぐちゃに並んでいる。
おぉぅ、映画カサブランカに出ていた人々の衣装そのままだった。
いつまでもルーマニアのブカレスト行きが開かないので仕方なくカサブランカ行きの人々に混じり並ぶと、スタッフに「ブカレスト?」と言われ、朝9時に搭乗すれば、百人乗りの飛行機に15人という少なさだった。
旅客機というよりはセスナ機の世界だ。
ルーマニアの上空は雲が覆い、そのままルーマニアのブカレストの空港に着くと、国際空港でしょう?とは思えないくらい、幼稚園の人の集まらないバザーみたいな感じだった。
新年は沢山の人でごった返すと聞いていたがあてがはずれた。
車で通りを走れば、数日前に降った雪が残っている程度で雪はひどくなかった。
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