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紘季の右手はすぐに窓を捕らえた。そして力強く窓を開けた。窓は開いた。
グサッ!ザッ!ザザザザッ!
紘季の足を何かが刺した。紘季は窓に向かいうつ伏せもたれ掛けた。
『アッハハハハハハ!!……………ニガス……………ト………オモッタ……………ノ?』
紘季の両足に彫刻刀が刺さっていた。
右足の太ももに二本、脹脛に一本。左足の膝、脹脛、踝に一本ずつ。
血が鉄の光沢とが混じり妙に明るい赤色の液体となって紘季の足を流れる。
紘季はもう足でしっかり立ってられなかった。
「ちくしょっ!」
右手の力を窓の縁にかけ体を起こして出ようとした。
……………グサッ!………………
後ろから更に一本、彫刻刀が飛んで来て紘季の右手の甲の中心を捕らえた。
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