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「たっ………頼む。………助けてくれ。」
紘季は震える声を仕振りだして浩介に頼む。目には微かな涙すら浮かんでいた。
『フフフッ…………チョウコクトウ…………ッテ……イタイ…………ヨネ。………アハハハ。』
浩介は笑いながら人差し指を立てた右手を挙げた。
そしてゆっくりその手を紘季に向けた。
彫刻刀が紘季を目掛け飛んで来る。
「うああぁっ!」
紘季は叫び体を縮めた。一本目はかろうじて当たらず、紘季のすぐ左の壁にに刺さった。
しかしそれは意味の無いことであった。彫刻刀は次々に紘季に向かって来ていた。
「っが!がああっあ゙ぁ!!」
紘季の腹部、腕、足、肩、そして額。彫刻刀は容赦なく紘季の体を突き刺す。
刺さった場所からは血が溢れ、床に溜まる。赤い床には、微かに紘季の肉の欠片が転がっていた。
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