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「はぁ、はぁ。紘季………。」
郷次は美術室を目指し走る。郷次は皆より一足早く走り出していた。だから一人だ。
うがあ゙あぁ゙ぁ゙ぁ!!
何度も郷次の頭に紘季の叫び声がこだましている。
郷次は体育館の横を抜け美術室にたどり着いた。
美術室の扉を開ける前に気付いた。
………誰かが壁の近くにいる。
「紘季!?」
扉を一気に開け、郷次は中に入って行く。扉は勢いが余り少し閉まった。
暗い美術室の中に紘季がいた。
首から上の無い紘季が。
「うわぁ!?」
思わず声を出して、後退りをした。
数歩さがると紘季の左に画用紙を見つけた。
「郷次ー!!」
後ろから清美の声がする。楓や勇也も次々と美術室に来る。しかし郷次は画用紙から目を離さなかった。
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