始まりの冬

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【初】 付き合い始めて その次の日… 私は麻里に 昨日について全て話した。 いつもなら喜んで くれるはずの麻里は なんだか怒ってる気がした。 「麻里?」 「…なに?」 ほらっムスッとしてる。 「…なんでもない」 その日私達は気まずくて、 【おめでとう】 と言ってくれなかった麻里が 少し気になった。 告白してからほぼ毎日 私は橋本とメールしてた。 学校のこと 家のこと 今何をしてるとか 本当に些細な事を お互い話してた。 なんだかんだ言って 早くも12月24日 クリスマスイブがやってきた。 デートって言えるか わからないけど、 友達を含めて遊園地に行った。 いろいろと回っているうちに 私はジェットコースターに乗ろうと 提案した。 けれど みんな絶叫系は苦手で 仕方ないか… と萎んでた私に 橋本が俺が行こうか? と言ってくれた。 突然の事で私は 【やっぱりいいよ】 と断ってしまった…。 「でも乗りたいんだろ?」 「乗ってきなよ」 とみんなの言葉で私は 「うん……乗る!」 と素直に言った。 その日初めての二人っきり ドキドキしてまともに 橋本の顔が見れなかった。 順番待ちの時 ふと手の大きさの話しになった。 橋本の手は大きくて 私は人よりも一回り 小さかったので 本当に大きく見えた。 いつの間にか自然に 手を重ねて 大きさ比べをしていた。 そのまま手を握る事は 怖くて出来なかったけど 橋本の手が すごく温かった事を よく覚えている。 …クリスマスイブ まだ初々しい私達に 小さな温もりをくれた。
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