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私は、そんな智生の手を握り返した。
そして、ニコッと笑った。
『智生・・・。
大丈夫だよ!私は、こんなに元気だし、
それに・・・子供を産めなくなったわけじゃないしさぁ・・・。
それに、あの頃は、お互いに若かったし・・・
私は、智生のせいじゃないって思ってる!!
だって、智生は、
「子供は、殺させない!!」
って言ってくれた。
私と赤ちゃんを守ろうとしてくれた!!
それだけで充分だよ!!
私ね・・・智生と赤ちゃんのこと忘れる為に必死になって仕事してた。
初めは、ずっと考えてた。
考えずにはいられなかった!!
でも・・・どんどん仕事が忙しくなって、いつの間にか忘れてた・・・。
きっと赤ちゃん・・・私と智生の赤ちゃん・・・天国で泣いてるよね・・・。
忘れてたこと怒ってるよね・・・。 』
私はそう言うと、泣き出してしまった。
すると、智生は、私の隣に来て、私を優しく抱き締めてくれた。
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