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そこに、杏里と賢吾さんが来た。
『あのさ~っ、私達がいること、忘れてない!?』
『えっ!?あっ・・・あの・・・。ごめん・・・。』
私は、そう言いながら、慌てて智生から離れた。
智生は、真剣な顔をして、賢吾さんと杏里を見ると、
すぐに右手でピースをし、無邪気な笑顔で笑って見せた。
『俺達、やり直すことにしたから!!よろしく!!』
『そっか!!
よかったじゃねえか!!』
『おめでとう、千歳!!今度こそ幸せにしてもらいなよ!!』
『うん!!ありがとう、賢吾さん、杏里!!』
“智生には、もう二度と会えないって思ってた…。
やり直すことなんてできないって思ってた…。
でも、今、こうして、また、智生が、私の隣にいる。
なんか・・・不思議だけど、すごく幸せを感じる。”
私は、智生をしばらく見つめ、微笑んだ。
そして、杏里に抱きついた。
『杏里、クローバーに連れて来てくれてありがとう!!
私、絶対に幸せになるからね!!賢吾さんも杏里も応援しててね!!』
『ああ。分かった。
智生、千歳を泣かすなよ!!』
『わっ・・・分かってるよ!!』
智生はそう言うと、顔を真っ赤にして、うつ向いた。
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