176人が本棚に入れています
本棚に追加
/61ページ
その時、お湯が沸騰して、ヤカンがピーッと鳴った。
私が、智生から離れて立ち上がろうとすると、
智生が、私の手を引っ張った。
『えっ!?何!?』
私が、ビックリしていると、智生は、私を自分の方に引き寄せ、
強く抱き締めると、キスをしてきた。
『ちょっ…智生!?
火を止めに行かな…きゃっ…んっ…んっ…。』
智生は、私が、そう言ってもキスをやめなかった。
その間もヤカンは、ピーッと鳴り続いていた。
『智生っ!!
いい加減にっ…んっ…もう!!
火事になっちゃうでしょっ!?』
私は、そう言うと、智生を突き離した。
そして、立ち上がると、台所に行って、火を止めた。
『智生…コーヒーでいい?』
『あっ…ああ。』
智生は、なんだか淋しそうな声で言った。
"どうしちゃったの!?智生…。
急に強引にキスをしてきたり…かと思ったら、
すごく淋しそうな顔をしたり…
わけ分かんないよ…。"
私は、そんなことを考えながらコーヒーを入れた。
入れ終ると、おぼんに2つのカップと砂糖とミルクを置き、智生のところに持って行った。
最初のコメントを投稿しよう!