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私は、そんな杏里を見て、高校時代のことを思い出した。
楽しかったことや悲しかったこと・・・すべてを思い出した。
すごく懐かしくて、何故か泣き出してしまった。
すると、杏里が、心配そうに私を見てきた。
私は、杏里に抱きついて泣きじゃくった。
杏里は、私のことを優しく抱き締めてくれた。
『ねぇ、千歳。』
『何?』
『千歳さぁ・・・本当は、まだ、智生さんのことが好きなんじゃないの!?』
『えっ!?
そんなこと・・・。
どうして、そう思うの?』
『仕事が忙しいって言ってるけど、本当はそうじゃないんでしょ!?
智生さんのこと忘れてないから恋愛できないんでしょっ!?』
『ちっ・・・違っ・・・違うよ・・・!!』
『だってさぁ、いつも恋愛してなきゃ生きてけない千歳なら、
どんなに忙しくても彼氏作ってるよ!!
それなのに、その千歳が恋愛できないってことは・・・智生さんのことが忘れられないからだよ!!』
杏里はそう言うと、私のことを真剣な顔をして見てきた。
私は、杏里から目をそらした。
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