赤い雪の贈り物

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『明日は雪降るかな?』 小さな窓から空を眺めながらママに問い掛けた 空からの訪問者待ちわびた誰もが知ってる 赤い服着たサンタクロース 今日は雪が降り 小さな庭にも僅かながらに雪が積もりました ベッドに吊した赤い靴下 カレなら見つけてくれるかな? 夜が明ける前に 目が覚めたボクの 目の前に立つのは 誰もが知ってる赤い服を 着たサンタクロース 小さい頃から欲しかった ママがあの日ボクから 取り上げた 大好きだった優しいアレがあの日を最後に カレからのプレゼントは 途絶えてしまった 空白の記憶に 埋め込まれたのは 眩しい程に綺麗に 飾り付けられたあの場所 ツリーの光が照らしだした窓に映った姿は カレではなく 赤く染まったボクでした 『もぅいいかい?』 そろそろ終わりにしよう 早く言って…最後に 『もぅいいよ…』と 小さい頃に奪われた ママがあの日僕から 取り上げた 大好きだったパパとの記憶あの日を真似た カレからのプレゼントは 空白の記憶を埋め尽くして再び蘇る 切り取られた記憶の一部 あの日ママが隠した あの場所へ テディ抱き締めながら 行こう 今日は僕がサンタクロースカレの為に用意した プレゼント きっと気に入ってもらえるはずだから 眩しい程に綺麗な 赤いロープで飾り付けた ママに問い掛けた 『来年の12月24日も 赤い雪は降るのかな…。』
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