マッチ売りの少女

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オレは携帯電話を見ていた。 高架の鉄道と地下鉄が何本も乗り入れる大きな駅の駅前広場。 そこの有名な犬の銅像の前にオレはいた。 (はぁっ、やっぱり、運勢最悪だ。) 携帯電話の占いサイトは、会社クビ寸前、彼女にはフラれたばかりのオレを的確にムチ打つ内容を示していた。 ふと、携帯電話の画面とオレの顔を交互にのぞき込む少女。 「ありゃりゃ、運勢最悪だねぇ。」 高校生くらいだろうか? ショートカットで大きな瞳が印象的だ。 おどけたように歩きながら、大きな瞳がオレを見つめる。 セーラー服を着ているが、スカーフとスカートが星の模様だ… 「そうだっ!あなたに売ってあげる。」 そう言って少女は小さなマッチ箱を差し出した。
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