空白の一球

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   何でだ?    何で俺、ここに居るんだ?    白く眩しい太陽の光を浴びたせいで、熱を帯びてしまった黒い帽子に触れる。    熱いのは熱い。  だけど、帽子から手を離そうとはしなかった。    俺の目に入っているのは、落ち着いた構えの打者だ。  まるで俺とアイツしか、この世界に存在しないような……    急かすようにバットを振る打者が見え、俺はやっと帽子から手を離した。  ……さあ、投げるか?
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