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前方にいる兵士はこの戦いを固唾を呑んで見守った
金属音だけが響き渡る……。
最初は両者互角であったが次第に項羽の方が自力で上回っていった
「キィーンッ!」
項羽が弾き飛ばし男が飛ぶ
男は構えていた槍を降ろした
「?」
項羽は何故終わったのか?
という顔をしている
「流石!
流石項羽殿!私などでは勝てるはずも有りませぬ!」
男は膝を付く
「大変なご無礼を致し本当にすいませんでした!
我が名は趙雲 字は子龍と申す者!
項羽様!この無礼者を一兵卒から雇ってはくれませぬか?」
趙雲という若者は深々と頭を下げる
項羽は趙雲に近付き彼の肩にその大きな手を置いた
「主ほどの武勇を持つ者を一兵卒で迎えるなど俺は世間の笑い者になる。
将として我が軍を支えてくれ!」
項羽は趙雲に位を授けた
この出来事に対し項羽はこういう言葉を遺した
“あの時曹操に張コウと高覧が付いたが自分には趙雲が付いた。
趙雲を得たことは竜を得たことに等しい”と、
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