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……と、冒頭から説明じみた文句が、脱線気味に並べられたが、そろそろ本文に入ろう。
現在、ラスはかなりのピンチに陥っていた。
ラスは、道端の真ん中に倒れ、ピクリとも動かない。
顔は真っ青。
生気の欠片すら感じなかった。
――大ピンチだ!。
数々の難関を乗り越え、邪神を倒す程の人間が倒れてしまうまでのピンチ。
それは――。
「は、腹へった……」
空腹だった。
…………。
世界を救った英雄は、どうやら道端で行き倒れに遭っている様である。
幾多もの修羅場を乗り越え、邪神に勝利した英雄も、空腹には勝てなかった。
このまま行き倒れで死んだとするのなら、彼の英雄伝のラストが事実と異なっていても頷ける。
何故なら、
とっても恥ずかしいからだ。
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