一章・ラスとアト

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 また、周囲は既に夕暮れだ。  このままパーディスに戻れば、クレナスの自宅に戻るのは明日となる可能性が高い。  基本的に安全な街道とは言え、少女一人で深夜の道を歩くのはかなり危険だからだ。  ――そして。  一番由々しき問題は、         この次にある。 「……給料日前だって言うのに」  少女は『はぁ……』と、重いため息を吐いて見せた。  今年で十六歳を迎える少女だが、実は既に仕事を持っていて、毎月の賃金をもらって生活していたのだ。  もっとも、この世界では十五で社会に出るのが常識なので、さして不思議な物でもなかったのだが。  現在、少女はクレナスの自衛団に所属する、公務員もどきの月給取り。  可愛い顔して、妙に物々しい格好をしてたのは、彼女が自衛団の一人だったからだ。
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