‐プロローグ‐

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 復活した邪神は、  最初の標的をこのラナカに絞ったからである。  己れを封印した英雄の血が脅威だった邪神は、復活と同時にラナカを襲ったのだ。  突如強襲されたラナカは、一瞬にして火の海と化し、町は人の屍で築かれる。  逃げ惑う人間達を、文字通り一人残さず殲滅(せんめつ)させた邪神は、  荒野と化した町を見て、満足気に去って行った。  さながら地獄絵図と化した町は、たった一日でゴースト・タウンとなった。  一人も逃げ出す事すら出来ずに、町中皆殺しに遭ったラナカ。      ――そんな――  英雄の町が辿った、悪夢の惨劇から二日後の事だった。 「……そ、そんな……」  一人の少年が、生まれ故郷である自分の町のむごたらしい惨状を目の当たりにしたのは……。
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