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「……っ!?」
今、居る筈がない
呆れられて
駆けて来てくれる筈がない
そう思いながらも、ゆっくりと声がした背後を振り向く鞠乃の目に映ったのは。
「鞠乃!!」
息を上げながら走ってくる紛れも無い遥矢の姿だった。
「遥矢……!?どうして此処に……っ、きゃあっ!?」
先程喧嘩別れをした遥矢自身の実家に居る筈の彼が、どうして此処にと驚きながらも口を開く鞠乃だが、それは走り寄るなり突然抱きしめて来た遥矢により途中で遮られた。
「は、遥矢?どうしたの」
「鞠乃……悪かった」
「そう、悪かったの……って、え……!?」
「さっきは……俺が大人げなかった、悪かった」
驚き続ける鞠乃に対し抱きしめたまま謝る遥矢。
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