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舞うように
降り落ちてくる
儚く白い雪は
二人の仲を甘くする
「はぁ……まったく、毎度の事だがお前には呆れたな」
「……っ、」
きっかけは些細な事でも喧嘩の絶えない二人の仲、そんな関係は限界に来ていて。
「……が、な……ぃ」
「鞠乃?」
「しょうがないじゃない私には無理なんだから……遥矢の馬鹿!!遥矢なんて大っ嫌い!!」
「鞠乃!!」
売り言葉に買い言葉、まさしく、その言い方が正しいか呼び止める遥矢の手をも振り払うと鞠乃はその場から逃げるように走り出した。
「どうして……?」
どうしていつも
こうなってしまうのだろう
「付き合い始めはこんなんじゃなかったのに……」
博識だが決してそれを鼻にかけるような事はせず思慮深く控え目でいて優しい遥矢は鞠乃の憧れだった。
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