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遥矢から好きだと告白された時、夢ではないかと疑い真実だと解ると鞠乃は舞い踊りそうになった。
自らの知識を惜しみなく与えてくれる遥矢に憔悴し豊富な知識を身につけていく鞠乃であったが、それ故に討論や反論したりもするようになった。
二人の考えが合えば問題はないが意見が食い違った時等は冷静なまま意見する遥矢に見下されているようで感情豊かな鞠乃は違うと解っていながらも反発してしまう事がよくあった。
目的地もなく、ただ走って、走り続けていた鞠乃だが周囲を見渡し街中まで来てしまっていた事に、ふいに気付いた。
辺りを見渡せば幸せそうに寄り添う恋人達ばかり。
本当なら遥矢とも、そうしていた頃だった筈なのに。
彼と喧嘩をし飛び出した今、きらびやかに彩られた街のショウウィンドウには寂しく一人で街中を歩く鞠乃の姿がぽつんと映し出されていた。
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