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「あ、あの~……そろそろ放してくれませんか?」
遠慮がちに言ってみた(笑)
「え~?やだ~ぁ!!」
拒否られました。ハイ。
「やだ~…って…」
子供じゃあるまいし……
つか、この人誰!?
「………離れろジジイ」
そう言って私を助けてくれたのは、あのお兄さんだった。
「ジジイ!?」
その言葉にビックリした私は、ガバッと顔を上げてその人物の顔を見つめた。
ジジイ!?これが!?
まだ、30歳前半じゃね!?
深緑色の着物を着た栗色の長髪のお兄さん。その長髪を一つに括り付けて、優しげな風貌をしている、とてもじゃないがジジイと言われるような年には見えない。
「まだ、ジジイじゃない!」
「“まだ”だろ?」
気分を害した様子の長髪のお兄さんを見て、ニヤッと笑う私を連れてきた方のお兄さん。
一体どういう関係なの!?
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