三ノ章~新たなる旅立ち~

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焔Side―――。 晴「焔殿、少し宜しいかな?」 少し離れた位置から景慧を見ていたら、父親の晴啻が俺の所にやってきた。 焔「あぁ、構わない」 港にあった荷物に寄り掛かる俺の隣に晴啻が来る。 晴「…………正直、私はこの使命はあの子には無理だと思っている」 焔「………………」 晴「私は神羅帝と会ったことがある。幼い頃にだがね。その時彼に天魔大戦のビジョンを見せてもらった。文献で知ってから興味があったんだ。だからこそ……鬼叉王がどれだけ危険な存在かを知っている」 焔「だからアイツには無理だと?」 晴「とてもじゃないが景慧にあの鬼叉王を封印出来るとは……」 その目は町の人間達の笑顔に囲まれた景慧に向けられている。 焔「心配すんな」 俺は前を見たまま言い切る。 晴啻の視線が俺を捕らえる。 焔「アイツは俺の主になった。アイツが俺を必要ないと言わない限り、俺は何があってもアイツを守り抜く。鬼叉王を再び封印してアンタの元へと返すその時まで」 晴「そうか……。それだけ聞ければ十分だ。息子を、どうか宜しく頼む」 晴啻は改めて俺に向き直ると頭を深々と下げた。 焔「やめな。一国の王がそう軽々と頭を下げるモンじゃねぇよ」 晴「焔殿………」 俺は前を向いたまま荷物に寄り掛かるのを止め、一歩踏み出す。 焔「話はそれだけか?じゃあ俺はもう行くぜ」 晴「道中お気を付けて」 焔「言われなくても分かってるさ」 俺の言葉に晴啻が笑った気がした。 町人に囲まれる景慧の所へ歩を進める。 焔「景慧、そろそろ出発するぞ」 「あ、うん!」 .
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