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「それじゃあみんな、行ってきます!」
僕がそう船の上から告げると、別れの合図の様に「帆を張れー!」と船員の声が響き渡り、バサッと音を立てて帆が張られた。
船がゆっくりと動き出す。
みんなが追ってくる。
僕は涙を堪えて大声でさよならと何度も手を振る。
やがてみんなが小さくなって、見えなくなった。
「……………」
焔「淋しいか?」
背後から帆の張られた柱に寄り掛かる焔がそう言ってきた。
「そんなこと言ってられないよ。これから僕達は残りの四神を探し出して、鬼叉王を封印しなくちゃいけないんだから……!」
焔「………あぁ、そうだな」
焔が近付いてきて僕の隣に立つと、右手でくしゃりと僕の頭を撫でる。
昇る朝日が僕と焔を照らし出す。
「まず目指すのは東の国、瑞桔ノ国(ミズキノクニ)だ!」
残りの四神の元へと導いてくれる姿映水鏡が示すのは東。
出ている色は蒼の青龍。
僕達は瑞桔ノ国を目指し、東へと出発した。
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