四ノ章・始~東の国・交わる刃~

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『若様ぁ!もうすぐ東の国に着くでさぁ!』 「分かったよ、ありがとう船頭」 大翔国を出発してから船に揺られること数日間、船頭がそう僕に言った。 そうそう、僕と一緒に旅をしてくれてる焔はというと………。 「焔ぁー!いい加減降りてきなってばぁー!」 焔はというと、帆柱の上からの眺めが気に入ったのか、上に登ったまま食事の時以外ずっと降りてこない。 まあ船酔いになるよりは全然いいけどさ。 焔「ウルセェ。どこにいようが俺の勝手だろうが」 ………………相変わらず腹が立つ程オレ様だけどね。 「そんなこと言ったってもうすぐ瑞桔ノ国に着くんですけどー?」 焔「チッ、一々ウルセェ奴だな。降りてりゃいーんだろ。降りてりゃよ」 フッ…と焔の姿が消えたと思ったら、焔は帆柱から飛び降りてきた。 そしてまた暫く波に揺られていると、船の進行方向に陸地が見えてきた。 『若、あれが東の国、瑞桔ノ国ですよ』 「あれが瑞桔ノ国…」 焔「あそこに青龍が居るのか」 隣を見ると、焔が真っ直ぐ前を見つめていた。 .
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