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「聞いた所によると、瑞桔ノ国は漁業が盛んで水が豊かなまさに水の国なんだって」
焔「東に位置するこの国は水を司る青龍の野郎が守護してるからな。水に関係するもので豊かでも別におかしくない」
「そうなんだ?」
焔「あぁ…。それよりなんでこの国にはこんなに橋が町ん中のあちこちにあるんだ?」
キョロキョロと辺りを見回した焔が僕に聞いてくる。
「船頭に聞いたんだけど、この瑞桔ノ国は沢山の小さな島が繋がって一つの国なんだって。だからその島と島をこの橋で繋いでるんだよ」
焔「なるほどな。けど、それだけの島が繋がって一つの国ということは、捜す範囲はかなりの広範囲ってことか…」
「頼りはこの姿映水鏡だけ……」
焔「とにかく捜そうぜ。蒼真(ソウマ)の奴がこの国に居るのは間違いないんだからな」
(蒼真………?)
「焔、蒼真って誰?」
焔「ぁ?言ってなかったか。俺達四神にも真名と呼ばれる名前がちゃんとある。最初に名乗った時に言っただろ?俺が聖王神羅帝に仕える四神が一人、南の炎を司る神鳥朱雀・焔ってな。蒼真は青龍の名前だ」
「へぇー、青龍は蒼真って名前なのか」
焔「名前の割にはキツめの嫌みな奴だけどな…」
「何か言った?」
焔「なんでもねーよ!それよりも俺達の真名、ちゃんと覚えておけよ?それぞれの封印を解き、尚且つ神羅帝じゃなくてお前に従わせる誓約の儀の時に真名が必要なんだからな!」
「え!?そうなの!?というか誓約の儀って何!?」
(そんなこと初めて聞いたんですけど!?;;)
焔「そんなことも知らなかったのかよ……。あのなぁ!誓約の儀っつーのはお前があの埃臭ぇ物置でやった俺らの真名を呼ぶっつー行為だよ。真名を握る者はその者の主人。その力を命ずることで意のままに操ることが出来るからな」
「えぇえ!;;」
焔「おら、分かったらさっさと行くぜ」
「ちょっ、焔!!;;」
(分かってない!分かってないよ焔!!;;)
僕はあっさり聞かされた重要な自分自身の力について頭を混乱させながらも焔の後に付いて行くしかなかった。
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