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「ぁ………」
焔「景慧!」
急に戻った体の自由に足がふらつき僕はその場に崩れ落ちる。
倒れる直前で焔が助けてくれた。
焔「景慧…大丈夫か!?」
「大…丈夫……。ごめん、心配かけて……」
そう言うと僕に戻ったことにほっとしたのか、焔の強張っていた肩から力が抜けたのが分かった。
風『我が主よ、非常の事態とはいえその御身を何の前触れもなくいきなり乗っ取ってしまった無礼を詫びる…』
そして焔と僕の前には一匹の美しい銀狼が居て、こちらを見ている。
多分彼が風麼で、銀狼が実体化した姿なんだろう。
「気にしないで下さい……。貴方が力を貸してくれなければ、僕も焔も今こうして生きてはいません」
焔「俺が付いていながら……面目ない……」
「焔も気にしないで…。ちゃんと僕を守ってくれたんだから」
焔「景慧………」
焔に抱き抱えられたまま綺麗な顔に付いた泥を拭ってやる。
「熾火さんもありがとう……」
熾『勿体なきお言葉…私の使命は焔様と共にあり貴方をお守りすることです』
風『ほぅ…火の所の熾火か。久しいな』
熾『風麼様も永らく封印されておられましがお変わりないご様子で……』
風『ふふ…火の者は相も変わらず歯に衣を着せぬ物言いだな。まあ我はそれを気に入っておるから気にはならぬがな』
焔「お前達、知り合いなのか?」
いかにも知り合い同士が久しく会ったような会話に焔が問い掛ける。
熾『風麼様は元は風の一族の方でいらっしゃいます』
焔「風の一族…地を司る玄武の関係か」
風『そうだ。そして火は風を喚び風は火を喚ぶ。我が風の一族と火の一族は昔から親しく、また深い縁で結ばれた一族同士なのだ』
熾『私が幼い頃は風麼様によく遊んで頂きました』
「そうなんだ?」
焔に地面に降ろしてもらい二人の話を聞く。
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