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風『それにしても立派になったものだ…。我に付いて回っていた頃はほんのこれくらいの背丈であったのに……』
そう言うと風麼は背丈を示す様に首を少しだけ上げた。
熾『もう昔の話です』
風『そうだな……』
「…………ねぇ焔」
焔「あ?」
「僕達、何だかお邪魔じゃない?」
焔「……………」
「つもる話もあるだろうし……少し二人だけにしておいてあげようよ」
小声で囁いた僕の提案に焔は少しだけ考えて頷いた。
そして僕達は二人から姿がギリギリ見える程度の所まで離れた。
余程話に夢中になっているのか二人共、僕達が離れたことに気付いてはいない。
雨はいつしか止んでいて、空気が澄んだ空には一面の青が広がっていた。
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