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「はぁ…疲れた……」
広い大浴場に響く僕の声。
稟に襲われた後、僕達は姿映水鏡の反応が1番強い所まで戻り、宿を取った。
怪我を治癒する効能があるここのお湯がチャプと音を立てて手から滑り落ちる。
「凄い…やっぱり効いてるんだ」
試しに昼間捻ってしまった足首を回してみると、痛みは全くなくなっていて何ともなかった。
どうやらこのお湯は怪我は怪我でも擦り傷、切り傷だけでなく打撲や捻挫にも効くらしい。
「稟……。闇の一族……僕が鬼叉王の封印を解いてしまったせいで再び甦った一族…」
襲ってきた男達は全員黒い眼に漆黒の髪。
風麼の話では、天魔大戦の時鬼叉王に仕えていた魔界の一族は闇の一族と呼ばれていたそうだ。
彼らは鬼叉王と共に持てる力の全てを封じられ、魔界の果てで天界の厳重な監視の下、ひっそりと暮らしているはずだった。
しかし僕が鬼叉王を甦らせてしまったことにより彼らも力を取り戻してしまい、監視を破り再び鬼叉王と共に魔界を支配してしまったらしい。
服まで黒くて全身真っ黒なその姿は、まさしく闇そのものだった。
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