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翌朝―――。
「………ん?」
太陽の光の眩しさに目を開けると、陽はとっくに昇り、朝になっていた。
「あれ……焔?」
ふと隣を見ると、すでに焔の姿は無く、綺麗に整えられた布団だけが残っていた。
(何処に行ったんだろう………)
昨日の焔の様子から僕は急に不安な気持ちになる。
(自暴自棄……まさか一人で稟を追って行ったとか!?;;)
一番最悪の展開にサァーっと血の気が引いていく。
僕はパニックに陥り、寝巻のまま部屋から飛び出した。
「ど、どうしよう!何で僕もっと早くに起きなかったんだろう!焔が……」
「俺がどうしたって?」
バッと宿の入口から聞こえたその声に振り向けば……。
「焔!!」
焔「はよ。百面相景慧」
「ひゃ、百面相って……!僕、心配してたんだからね!?朝起きたら焔隣に居ないし!変な…変な事に巻き込まれたんじゃないかって……ぐすっ……一人で行っちゃったんじゃないかって…ふあ、不安にっ……!」
言ってたらさっきの不安な気持ちを思い出したり無性に腹が立ったりで訳が分からなくなり、目から涙が零れ落ちた。
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