223人が本棚に入れています
本棚に追加
「お世話になりました」
『いえいえ、お立ち寄りの際はまた是非ご利用下さいませ』
宿屋の店主に見送られて僕達は表通りに出た。
この道が各島を繋ぐ1番大きな通りだ。
焔「景慧、それで蒼真の反応はどこが強い?」
「うーん、あれ?昨日と位置が違う……あっちかな?」
僕が指した方向を見た途端、焔の顔が引き攣る。
焔「げ。あっちって…水神の森じゃねーか」
「水神の森?」
焔「朝、水神の神社に行ったって言っただろ。その神社がある場所が水神の森なんだ。水神である青龍を祀った神聖な場所としてこの瑞桔ノ国の民が大切にしている森なんだとさ」
「ふうん……?」
焔「だが一つだけ厄介なことがある」
「厄介なことって?」
焔「神社の階段を登った所にある鳥居には強力な水の術の結界が張られていて、水と相性の悪い俺はそれ以上先へ進めねぇんだ。火の術の式神である熾火も例外じゃねぇ」
「えっ……」
それって…つまり……。
.
最初のコメントを投稿しよう!