始章~紅き紅蓮~

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神「人界の神子…貴方のお名前を教えていただけますか?」 鈴のような心地良い耳を撫でる声が僕の耳に届く。 「…真幸…景慧と申します……」 神「景慧殿、貴方に…お願いがあります」 神羅帝はそれまでの穏やかな笑みを浮かべた表情から一転、心の中まで見透かすような真剣な瞳で僕を見つめた。 神「私達の話の中に挙がっていた鬼叉王とは、この世界に存在する全てのモノに災厄を与える禍々しい存在。悪しき心も少な過ぎれば世界は成り立ちませんが、多過ぎればただの災い。鬼叉王は人の心の中の闇を操り、人々を争いや戦禍へと誘います。そして…今、その鬼叉王の封印は解かれてしまいました…貴方によって」 「そんな!そんな存在の封印を…僕が……!?」 神羅帝から聞かされた話に僕の心は一気に絶望と焦燥、更なる混乱に満たされる。 神羅帝の言葉に先程までの焔の言動を思い返すと、悪しき存在である鬼叉王の封印とやらを解いてしまったのは間違いなく僕だった。 .
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