短編小説集第①部

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私は一先ずその手を優しく掴んだ。     そして、私はマダムに 『貴女の様な女性がこんな所でこんな事をしては駄目ですよ』 と、言った。     マダムは恥ずかしそうに私の上から降りた。         私はマダムに 取り敢えず部屋に入る様促した。         そして、マダムと部屋に入り、クレームの話を切り出した。     案の定、クレーム自体が嘘だった。       私には初めからわかっていた。 初めてこのマダムに声を掛けた時からこうなる事を。 全てマダムの手のひらで転がされる振りだったのだ…      マダムの瞳を見つめながら私は言った。     『貴女の様な女性にあそこ迄させてしまい申し訳ありません。 私も男です。 女性に恥をかかせる事は絶対に出来ません。今夜の私は貴女だけの物にならせて頂きます』   と。       私は営業マンで下着と愛を提供するのが仕事なのです。例えそれが一夜限りの偽りの愛でも…
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