杉本剛の場合

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『ただいま~』 玄関に響く声 杉本剛(すぎもとつよし)が高校から、帰宅した。 彼は、名門私立の高校生である。 『おかえり(笑)』 母親の利恵(としえ)が、玄関に歩いてきた。 『今日の中間テストの結果は、3番だった』 剛は、喜び勇んで母親にそう告げた。 『頑張ったね(笑)』 利恵は優しい笑顔で剛に笑いかける。 そして、剛の鞄を持って二人でリビングへ歩いて行った。 母親が紅茶を作りながら、剛の話を聞く。 息子が笑っている姿を目の当たりにすると、自然と笑顔が零れるのが、母親である。 『ふんふん(笑)』 剛が上機嫌であるがゆえに 利恵も上機嫌だ。 あの男が 帰ってくるまでは… 『今、帰ったぞ』 玄関から声が聞こえ 利恵は、玄関に向かった。 『おかえりなさい』 『うむ』 鞄を利恵に渡して、ずんずん進んでいった。 彼は、杉本徹(すぎもととおる) 利恵の旦那であり 剛の父親である。 『おかえりなさい(笑) お父さん』 『うむ』 『今日、中間テストの結果が帰ってきて、学年で3番だったよ(笑)』
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