杉本剛の場合

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『なんだ(怒) また1番じゃないのか まったく(怒) いつまでも、成長しない奴だな』 鼻で笑う徹… 『アナタ…』 利恵が何かを言いかけて、やめた。 剛の顔から 笑みが一瞬で消えた。 『剛…』 利恵が首を横に振り、剛を促した。 剛は、二階の自分の部屋に向かっていった。 『くそ爺(怒)』 ベッドに横たわり 枕を叩く剛。 『誉めてくれても、いいじやないか(怒)』 枕を握り締める剛。 「トントン」 部屋をノックする音がして 「ガチャ」 と、1人の女が部屋に入って来た。 『お兄さん どうしたの?』 彼女の名前は、杉本香(すぎもとかおる) 私立の中学校に通う中学3年、剛の妹であった。 『なんでもない…』 『また、お父さんと?』 『いや… なんでもないんだ』 香を部屋の外に追い出して、ドアを「ガチャ」と、閉めた。 香と剛の中学は同じ エスカレ-タ-式に香も剛と同じ高校にあがってくる。 たった一つの違いは 香は、いつも1番であると言うことだけ…
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