杉本剛の場合

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『行ってきます』 剛は学校へ向かう。 そのすぐ後ろから、父親と香が歩いてくる。 父親と香は、車に乗り込んで学校へ向かった。 剛は、1人歩いて 高校へ向かった。 歩いても20分とかからない距離であった。 『おはよ(笑)』 挨拶してきた、同じ学校の少女 川上皐月(かわかみさつき)である。 『どうだった?テスト』 『別に(笑)』 『あぁぁぁ~ 笑ってる、良かったんだね(笑)』 『別に(笑)』 『あぁぁぁ~ 憎たらしい(笑) 私なんて10番も落っこちて、両親に絞られちゃったのに(笑)』 『うちの親は… 俺には無関心だから』 『いいなぁ~ 羨ましい(笑) 私の親なんて、もっと勉強しろだの、もっと塾に行けだの煩くて』 剛は面食らった。 両親が自分に無関心だと言うことを羨ましいと感じる事に 『彼氏はいるのか? 男友達はいるのか? 煩くて(笑)』 皐月が笑って、舌を出した。 剛は、少し気が楽になった。 不思議と、皐月と話をすると元気が出た。 それは、今日だけではなく 落ち込んでいる時には、何故か皐月が剛の前に現れていた。 偶然なのか? 必然なのか?
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