プロローグなんてものはなく、

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  「あー……そんなに嫌そうな顔しないでよ。少なくともひーくんにとっては悪いことじゃないわよ?」 今まで何度か似たような台詞に痛い目を見た経験から、その言葉は限り無く嘘っぽい。 というか、信じたら負けだと思う。 「それなら楽しみにしとくよ」 とりあえず、今は疲れた。彼女が今度は何を企んでいるか知らないが、休んでから考えよう。 「それじゃ、僕は寝るね。それから、何をやるかは知らないけれどあまり派手にならない程度にしてよね」 「え? 何? まだ寝るの? もうお昼近くよ?」 「『まだ』じゃないよ。『今から』寝るの」 彼女は何か言いたそうな顔をしていたが、溜まるに溜まった数々のレポートをやっと終えた後の睡魔に抗う術は僕にはなく、 「おやすみ」 言うが早いか、僕の足は睡眠不足を解消するために自室のベッドへと向かっていた。  
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