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ふと気づく。
一番肝心な部分に触れるのを忘れていた。
どうして少女にIFがなかったか、だ。
一応、わたしの中の常識では有り得ないことになっているけど、わたしという例外がいる以上その存在は居てもおかしくはない。
その上で、問題は何故無いのかだ。
親しい人がいないとか、何に対しても無気力で、興味がないとか、そういうレベルの話ではない。無機物にだって一本以上のIFはあるのだ。
それが無いということは、何かしら特別な理由があるはずだ。そして、だからこそわたしは彼女に興味を持ったはずなのだけど。
特別な理由?
そう言えば、自分はつちのことだと言ってた。
つちのこにはIFがない?
いや、だからつちのこって何よ。
悩んでいる間にわたしの足は止まっていた。振り返っても、公園はさほど遠い位置にはない。
わたしは公園へと引き返した。
あの様子では、まだ彼女はいると思う。居なければ居ないで諦めがつく。
選択肢があるなら活用しなくちゃいけない。
このままうやむやに興味を消化させるよりは、引き返して何かしらの結果を得よう。
そう自分に言い聞かせるように、わたしは一歩ずつ公園へと近く。
まあ、居るか居ないかの二答だ。
そんなに構えるほど複雑な未来は待っていないはずだ。
そう思っていたわたしを迎えたのは第三の答えだった。
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