Vol.壱 戦いの果てに

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あの、穴に一気に行く方法、、、。これしかない。頭に閃光が射した。「リーズ、一回きりで、最大の効果をあげるぞ!!しっかりやってくれよ。」俺は言った。闇に落ちていく階段、迫り来る壁、、、。一か八かの方法はこれしか無かった。リズを止まらせ、上下から迫る恐怖をこらえた。ズズズズ~、シャキン、ズズズズ~、シャキン、ズズズズ~、シャキ~ン。 次の瞬間、遂に悪魔は交差した。目の前の階段が無くなり、落ちた瞬間、闇と交差した壁も宙に浮いた。「いまだー!!」掛け声と共にリズの手を引っ張り、力いっぱいジャンプした。リズも同時にジャンプした。そして、落ち行く壁に着地し、そこを力点にし、二度目のジャンプをした。「イッケーい!!!」 闇の中、暗い空間に浮かんだ二体の肢体は、ただバランスを取りながら、大穴に向かって、態勢を整え、落ちて行った。
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