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タクシーが走り去った後に初老の男性が近づいて来た。
「失礼ですが、【ジェームス博士】でしょうか?」
『はい、そうです。』
帽子を被っていて、中肉中背の体型に口髭を蓄えたいかにも博士という風貌だ。
「どうも【上原】です。」
『【ジェームス】です。この度はお誘いありがとうございます。』
「こちらこそ遠い所からわざわざお越し頂いて。」
『すいません、【上原さん】一つ質問があるのですが。』
「はて?何でしょう。」
『何故、私なのですか?他にも考古学の権威の方がいらっしゃると思いますが、何故、私のような若者に?』
「前も言った通り、あなたの論文に惹かれた事と多分あなたは必要な物を持っている。」
『必要な物…ですか?』
「以前、長崎県から持ち帰った不思議な石の話を書いてらっしゃった。手紙に書いてある通り持って来て頂いてますか?」
『これですか?』
私は地球を模倣した球体をショルダーバックから出した。
この球体は知り合いの学者に調べて貰ったが不思議と何の物質で出来ているかはわからなかった。
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