~梨緒~

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私は部屋に入って呆然とした…。 確かに片付けた筈なのに。 たった2時間でこの散らかり様は異常である。 そこら中に資料が散乱し【博士】が好きなポテトチップスの袋が2袋。 タバコの空箱に吸い殻が溢れていた。 まぁ、いつもの事なのだが………。 そのゴミ山の中心に【ジェームス博士】が微笑みを浮かべて座っていた。 『やあ、【梨緒君】講義の時間だろ?今、準備をするから。』 ありえない…。 「【博士】準備する時間は十分有ったはずです。部屋を散らかす前に用意して下さい。」 私は少し怒った口調で話す。 『すまん!すまん!』 全く悪かったという雰囲気も無しに【博士】が片手を上げて、口先だけで謝罪の言葉を述べた。 これが、私が【博士】を嫌いな要素の一つである。 この人は常識が無いのだ。 良く言えば天才に多い性格。 悪く言えばただの世間知らずだ。
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