小さな来訪者

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「この人が、店長さん…」  いまだ驚きを隠せない陽子を、誠は、当然だと思った。  麦藁帽子に大きなリュックに分厚いコンバットブーツという恰好は、どう考えても、喫茶店の店長には見えない。  いくら、旅行好きとは聞いていても、この姿を想像はしていなかっただろう。  が、 「すごーいっ! こんなにも想像してた通りの人だと思わなかった!」 「は?」  陽子の言葉に、今度は、誠が驚いた。 「私、店長さんは、大きなリュック背負って、麦藁帽子被ってるんだろな~って、勝手にイメージしてたけど、まさか、その通りの人だとは思わなかった!」 「そ、そうなんだ…」  目をキラキラさせて興奮する陽子に、誠は、苦笑するしかなかった。 「ふ~、やっぱ、落ち着くな~、ここは」
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