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男はｱﾀｼのさしている
指の先を振り返ってみた。
「…どれ…？」
「あの頭赤い奴。」
そう言うと、彼の顔は
だんだんと曇ってきた。
ｱﾀｼはその表情を
見逃さない。
「…」
「あっれー？そこに見えるのは奈々さんじゃないっすかぁ？」
相変わらずテンションの
高いアキラは、ニコニコと
笑いながらｱﾀｼに近付く。
「ん？」
そして、捕まれていた
ｱﾀｼの腕に気付く。
「…浮気？」
上目遣いでｱﾀｼの
顔を覗いてきた。
―ベシッ―
「違うわよ！」
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