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離さないでほしい。
ずっと。
あたしを。
「…真琴ちゃん?」
ゆっくりと顔をあげれば
自然と近付いてくる
雅人先輩の顔。
目を閉じれば、唇に
軽い感覚を受ける。
軽い、軽い。
それは、ただのキス。
あたし達は、それ以上
何もした事がない。
それだけで十分だった。
この時までは。
彼が、あたしを追いかけて
離さないでいてくれるから。
信じていた。
安心していたんだ。
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