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最初って涙なんか出なかった。
親戚や友達に連絡して、それはもう事務的にお通夜とかの準備をしなければいけなくて。
涙を流す暇がないっていうかな。
オヤジも姉ちゃんも、同じように忙しくて悲しみにひたる余韻はないって感じでした。
忙しさに追われたから、俺は今日の一日を冷静でいれたのかも。
一度、家に帰ってくる時に三人で夕食を食べたんだ。
ハンバーグ食べた。
オヤジが、
「うまくないなぁ…か…」
って、言葉詰まらせてイキナリ泣きだしたんだ。
子供みたいに。
俺はすぐ分かった。その、
「か…」の後に続けようとした言葉がすぐに分かった。
オヤジと母さんはよく食べ歩きが好きで、うまい店があると家族サービスとかいってはよく連れて行ってくれてたんだよ、俺と姉ちゃんを。
オヤジは
「うまいなぁ、母さん」って
いつもの癖でついつい言ってしまうところだったんだろうね。
俺は黙ってた。姉ちゃんも黙ってた。
俺は泣かなかった。
泣けなかった。
黙って食べてた。
何かしゃべったら俺も崩れてた。
もう今日でここに書き込むのは最後にします。
みんな色々と辛いことを乗り越えての今があるのだと思いました。
だから俺だけ弱くてうじうじしていてはいけない。
みんなが通る道なんだよね。
けど、今だけ俺の弱さをどうか許してください。
昨日の今日では強くなれない…
悲しすぎる。
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