愕然

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いきなり目が覚めた。 寝たのは4時頃…。今は何時なのだろうか…? ホテルのような…、4人部屋のベッドの上。 当たりは薄暗く、なんとなく見えるくらい。 ん…?笑い声がする…。 幼い少女の、高い笑い声。 馬鹿にするように声が頭上から降ってくる。   !?   ……体が…、動かない。 金縛り…?よくわからない。 顔は見えないが、10~12歳くらいの少女が何やら俺の顔の上で何かをしているようだ。 …下敷き? 薄っぺらく、よくしなるそれは、俺の顔の上でユラユラ揺れていた。 扇いでるのは分かったが、風は全く来ない。 何をしているんだ? 何故か下敷きのような物で扇いでいる手は見ていて可笑しかった。   だが、俺は その下敷きに恐怖を抱いていた。   今は体が動かない。 手は胸の上で拳を握っているが、あまりにも無防備だったからだ。 下敷きとは言えど、もし叩かれて目に入ったりでもしたらどうなる? もちろん痛いだろう。   そして、それを避けるために必死に手で顔を覆うとするが、きつく握られた拳は、ビクともしなかった。 それを見た少女は高く、さっきよりももっと高く笑った。 馬鹿だこいつ! そう言っていた気がする。  
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