ふたり

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初めて話したのは 高三の初夏。 最後の学祭に向けた企画や準備が 学校中で始まっていたころだった。 彼はいきなり私のクラスにやってきて 私の姿を見つけ 私の前にのそっと立ち 一言、つっけんどんにこう言った。 「ギター貸して。」 薄い顔立ちに似合わず 意外と低かった声。 普段と変わらぬ休み時間の光景の中、 彼は私を見下ろしていた。
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